FAQ くまがいそう

■ 「くまがいそう」って何ですか?
ランの仲間の野草で、薄いピンクに赤い筋のある袋状の唇弁(しんべん・・・下向きの花びら)が特徴です。葉は扇子(せんす)状のヒダがあり,2 枚が対生しています。学名:Cypripedium japonicum (シプリペディウム ヤポニカム)で、ラン科に属しカトレアやシンビジウムなどの洋ランとは親戚です。
■ なんで「くまがい(熊谷)」っていうのですか
「熊が居そう」というおやじギャグは毎年誰かが言いますが・・・。袋状の唇弁を熊谷直実(くまがいなおざね)が背負った母衣(ほろ)にたとえて名前が付けられたそうです。
なお,クマガイソウに対応させたアツモリソウ(敦盛草)という蘭もあります。こちらは平敦盛(たいらのあつもり)にちなむものです。

※まぁ、母衣を背負って戦っている時代の武将なら誰でも良かったんですから、くまがいそうより、別名のホロカケソウ(母衣掛け草)の方が素直な名前ですね。
■ いつ頃からここにあるのですか
 くまがいそうは以前はふつうに里山で見かけることができた植物で、周囲の自生地が開発のためになくなってしまいました。ここに生えているくまがいそうも、わざわざ植えたものではないので、いつ頃から生えているのかは不明です。
■ 数は増えているのですか減っているのですか
庭に生えている数は正確にはわかりませんが、徐々に減ってきているようです。何年かに一度ある大雪のため、竹が折れてなくなった部分、盗掘されてしまった部分などが原因と考えられます。また、地下茎を長くのばし、気に入った場所に花をつけるので、毎年花の咲く場所は移動します。そのため自生地からはみ出して、家の門の裏にも生えてきています。
くまがいそうは、自生地により結構形も異なるので地域的隔離が進んでいると言えます。つまり、種としての活力が弱まっているとも考えられ、長期的には減少する傾向にあるといえるでしょう。
■ 花期はいつ頃ですか
みどりの日(4月29日)を中心にその前後1週間が通常の見頃・・・だったのですが、最近の温暖化の傾向かそれより4〜5日早いことが多いようです。桜の花が早い年は、くまがいそうも早いのですが、「花冷え」というように桜の開花後に急に気温が下がり、意外に花の咲くのが遅いこともあり、花の時期を予測するのは困難です。
■ 肥料や世話はしているのですか
特に肥料を撒くようなことはしません。竹の葉が栄養になっているようです。世話としては、竹を保護または間引きして適度な密度を保ち、生息地を半日陰に保つことです。また、同じ場所に繁殖しているフキなどの植物を間引きしてやることです。
■ どうやって増えるのですか
竹と同じように地下茎が長く伸びて、その地下茎上に芽が出て花が咲きます。ある程度地下茎が長く伸びないと花が咲かないと言われているので、野生のくまがいそうを採取してプランターや植木鉢に植えても、ほとんど花が咲かないそうです。
■ 天然記念物って本当ですか
自生地がさいたま市の天然記念物に指定されています。合併前は大宮市の天然記念物に指定されていました。
■ ここで売っていないのですか
天然記念物なので家族といえども抜くわけにはいきません。ただし、天然記念物に指定されているのは「自生地」と「自生地に生えているクマガイソウ」なので、クマガイソウ自体は数は少ないものの山野草を扱う園芸店では売っていることがあります。ほしい方はそちらを探してください。

※日本のクマガイソウは、地下茎を長く伸ばさないと花が咲かないらしいです。タイワンクマガイソウは地下茎が短くても策らしいです
■ 虫を食べるのですか
袋のようにみえる唇弁の部分が、食虫植物のウツボカズラのような雰囲気を漂わせているので、よくこういう質問を受けますが、食べないようです。
※見ているときはネ・・・ヒッヒッヒッ。
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